雲と雲の狭間から、空と大地の裂目から、指と指の間から、
絶え間無くこぼれ落ちては隙間という隙間を隙間無く埋め尽してしまうんです。

僕は、もう、息苦しくて、息苦しくて、

















七竈物語


こぼれ落ちそうな情念の粒たちがすべてを狂おしいほどに紅く染め上げる




 ずっと彼のことを大事に思っていましたし、それを態度にも表してきたつもりです。それが一体どうしてこんなことになってしまったのか。思い当たる節はあります。

 少し前の話になります。風の強い日でした。僕は彼に告白したんです。お前のことが好きなんだ、と、そう言いました。そしたら彼は真っ直ぐに僕の目を見ながら「俺もお前のことが好きだよ」と返してきたんです。なんの迷いもないふうに。その時僕は、彼が今僕のことを僕が望むような意味で好きではないこと、そしてこの先永遠に彼は僕が望むような意味で僕を好きになることは絶対ないこと、さらに決定的なのはそのことを彼が自覚しているということ、そういうことを一度に悟ってしまったんです。絶望的な気持ちになりました。
 あの時、彼が少しでも困惑していたなら、いっそ僕のことを気味悪がって突き放していたなら、こんなふうにはならずに済んだと思います。
 でももう遅い。



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