「英士って好みのタイプはっきりしてんな〜」 「いきなり何だよ」 「だって今の英士の彼女、一馬に似てるじゃん」 「…冗談だろ」 「ほんとほんと。似てる」 「似てないよ」 「いーや、似てるね。だから付き合うことにしたんだろ? 悪い男だね〜。かわいそ、あの子。一馬の身代わりだー。おお、かわいそ」 「憶測だけでもの言ってんなよ」 「はーん? 一切の憶測抜きでもの言える奴なんているのかね」 「そう切り返すんだ。お前ってこういうところでは口が達者だね」 「いや〜、さすがの俺も口では郭君にかないませんって!」 「よく言うよ」 「でも似てるよな、ほんと」 「いきなり話題戻ってるし」 「だって似てるんだもん」 「似てないって」 「でも、ま、お前の気持ちも分かる気はするなー。一馬みたいな彼女ってなんか良いよな。俺もちょっとだけ欲しいかな」 「俺はいらない」 「でも、似てるよ?」 「似てないって。それに、」 「それに?」 「一馬みたいなのは一馬だけで充分」 「おお? 言ってくれるじゃん!」 「まあね」 「愛だね〜」 「何言ってんだか」 「んーでもさっきの台詞はちょっとカッコ良かった!」 「はいはい」 「なるべく早めに別れた方がいいよ、今の彼女」 「…何だよ、それ」 「真面目な話」 「……」 「かわいそうだからさ」 「…」 「似てなきゃこんなこと言わない。似てるんだよ、あの子は。分かってんだろ? ほんとはさ」 |
〜※以上、10月某日・Uト君(14・男子)とAシ君(13・男子)との間で取り交わされた会話〜
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