★ピーコちゃんとおすぎちゃん★



★★★
 結人んちに二匹の手乗り文鳥(お姉さんが買って来たらしい)がやってきて、それはそれは愛らしかった。
「これ、つがい?」
「や、どっちもオス」
「そうなんだ?」
「そうらしいね」
「名前とか付けてる?」
「付けてる。こっちの黒い方がピーコで、そっちの白い方がおすぎ」
 文鳥を指差しながら結人が言った。
 なんてネーミングセンスだ、と呆れたけどあえて突っ込まなかったら、
「いや、お前、突っ込めよ?」
と結人に言われた。なるほど。さっきのは突っ込むべきところだったかやはり。
「どっちもオスってことは子孫繁栄はならないわけだ」
「まあな」
「不毛だなあ」
「そうか?」
「だってずっと一つの籠の中に居るんだよ。でも何も生まれないなんて」
「お前なあ」
「つがいで買えば良かったのに」
「そういうことは姉ちゃんに言ってください」
「俺と結人みたいだね」
「は?」
「籠の中のピーコちゃんとおすぎちゃん。交尾しても子供が出来ないとこが」
「ピーコちゃんとおすぎちゃんは交尾なんかしませんよ〜」
「そう?」
「そう。英士と俺みたく馬鹿じゃないからね」
「そう」
「そう」



★★★
 そういえば結人の彼女は不思議な顔をしている。初めて結人の彼女を見たとき「不思議な顔をしてるなあ」と思った。勿論『不思議な顔』というのは控えめな表現で、もっと率直に言ってもいいのならば、そうつまりブ
「結人が今付き合ってる子って個性的な顔立ちしてるよね」
 ものすごく気を遣った言い回しをしたのに結人に頭を殴られた。
「結人が今付き合ってる子って個性的な顔立ちしてるよね」
 結人不在の場で同じことを一馬に言ってみたら、一馬は3〜5秒の十分過ぎる間の後で、
「そ、そっかな?」
と戸惑いながら返してから
「そういえばさ、昨日学校でさ、」
と話題を変えた。
 ああ、なるほど、一馬も結人の彼女は不思議な顔だと思ってるんだ、うんうん。
 結人の彼女は、顔は不思議だけど胸は大きい。もしかしたら結人は顔より胸を取る人なのかもしれない。もしかしなくてもそうなのかもしれない。
 自分の平板な胸を右の手のひらで押さえてみた。
 自分の胸が膨らんでいるところを想像してみた。
 あ、吐き気が。
 ああ、不毛だ。



★★★

Jun.6,2001



















☆女のこの好み☆
結人:気が合う女の子が一番と思ってそう。そして乳がでかいとなお良いと思っていると面白い。
一馬:あ〜、真田ってめちゃめちゃ面食いそう。
英士:ホモだから関係ない。←ひどい。

 

 

 

 

 

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