郭くん、うざい


「一馬、ちゃんと前向いて歩かないと危ないよ。」
「分かってる。」
「一馬、でもたまには下も確認しないと危ないよ。つまずくから。」
「分かってる。」
「あ、一馬、信号が赤だ。」
「見りゃ分かる。」
「信号が青になるまで行っちゃ駄目だよ。」
「そんなこと誰でも知ってる。」
「あ、一馬、信号が青になった。」
「見りゃ分かる!いちいち言わなくていい!」
「待って、一馬。青になったらからってすぐ渡ろうとしちゃ駄目。ちゃんと左右確認してからでないと。」
「した!さっきちゃんと確認した!」
「嘘だね。」
「嘘じゃない!」
「ほら、一馬、さっさと渡らないと赤になっちゃう。」
「お前がぐだぐだ言ってんのが悪いんだろ!」
「何怒ってるの?」
「怒ってねえよっ。」
「そんなイライラしてたら体に悪影響だよ。」
「あー、はいはいはいはい。」
「一馬、」
「あーもー何!今度は何!?」
「ズボン、前、開いてるんだけど…。」
「!そうゆうことは早く言えっ!
…って開いてねーじゃん!ちゃんと閉まってる!」
「うん。」
「『うん』じゃねえ!お前、俺を騙したのかっ!」
「うん。」
「『うん』じゃねえ!!」
「そんな大声で言わなくても聞こえてるよ。一馬、喉痛めるよ?」
「…うぐぐ…うぐぐ…!」 
←怒りが沸騰し過ぎて言葉が出ない。
「一馬、俺はお前のことが心配なんだよ。」
「……」
「もう一馬の一挙一動が気になって気になって気になって気になって…(延々)」
「……」
「いちいち一馬のこと構わずにはいられないんだ。」
「……」
「お前のこと大事に思ってるんだよ。ほんとだよ。分かってくれるよね?」
「――うん。」
「だったら一馬、拒絶しないでよ。」
「―――拒絶なんかしてない。」
(でも英士、うっとうしいよ!)
「鬱陶しいって思ってるだろ、俺のこと。」
「……………思ってないよ。」
「今の間は何?」
「何でもない。」
「思いっきり間が合ったよ?」
「気のせい。」
「いや、気のせいじゃない。」
「う…」
「鵜?」
(※う【鵜】 ウ科の水鳥の総称。カモより大きくて黒い。首は細長く、くちばしも長くかぎ形。水に潜って魚をとらえる。ウミウ・カワウ・ヒメウなどの種類があり、ウミウは岩壁に、カワウは樹上に群れをつくる。鵜飼いに使うのは、主にウミウ)
「うっとうしいー!もう!うっとうしい!」
「あっ。『うっとうしい』って言った。きっぱりと。ついに。」
「言ったよ!あ〜言ったよ!言ったが何だ!文句あっか!お前うっとうしいんだよっ!」
「あっ。また言った。」
「あああ…ストレスがたまるっ。こんな会話続けてるとストレスが!ストレスがたまり過ぎて神経性胃炎になるっ。」
 ←過去に一度経験済み(※その時のは英士が原因ではないです)
「そうなったら、俺が毎日看病してやるよ。一馬のためにリンゴ剥いたりして。」 
←何か神経性胃炎を誤解してる。
「うわ、悪化しそ!」
「あっ。またそういうこと言う。」
「だって!」
「一馬、俺の厚意と好意を拒絶したら後悔するよ?俺ほど一馬のことを想ってる人間はこの世にいません。断言できる。」
「う…」
「うれしい?」
「うっとうしい……」
「あっ。また言った。」




Nov.12,2000

絶対間違ってる。
(郭くんが、じゃなくて、私が、ですよ。勿論)

 

 

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