no body but bone

ノー・ボディ・バット・ボーン



肉ではなくて、骨を愛した。





 彼の骨は魅力的だ。

 そのしっかりとした骨格を指で辿れば、体の芯が熱く疼く。

 なんて綺麗な骨の造りを持っている男だろう、マイクロトフは。

 強く、硬く、清らかな骨。




 彼の骨は魅力的だ。

 その繊細な骨格を自分の体で感じる時、胸が熱く痛くなる。

 なんて綺麗な骨の造りを持っている男だろう、カミューは。

 細いが頑丈で、整然とし、細かで美しい骨。





 腫れ上がり潤む物欲しげな性器同士で結合するよりも、

 静かに沈黙を守る骨同士で溶け合えたならどんなに素晴らしいだろう

 と、何度夢見たことか。

 彼の肉体よりもむしろ彼の骨格を欲した。

 肉を全て脱いで、骨同士で愛し合いたい。

 肉同士の混ざり合いにはもう飽きた。

 いや、それだけでは足りなくなったのかもしれない。

 骨を、骨を、骨を、骨を、骨を、…………………

 その、汚れなく白く、汚れきって黒い、その骨を。





 「お前の背骨が好きだよ。

 真っ直ぐで、強くて、まるでお前の内面のようだから。」

 「背骨が………」

 「ああ。…マイクは?」

 「何が。」

 「マイクは俺のどの部分の骨が好き?」

 「……俺は…………

 お前の指の骨が好きだ。


 繊細で、しなやかで、まるでお前そのもののようだから。」







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