2004年08月09日の日記より。
 タテって進藤ちゃんと一緒のベッドで寝るときとか、進藤ちゃんが眠ったのを確認してからじゃないと眠れない気がする。進藤ちゃんの穏やかな寝息が聞こえてくるまでは、じっと寝た振りしてるんです。そのことに気付いた進藤ちゃんは、なんだか不安な気持ちになる。なんとなく、タテには言わないほうがいい気がして口に出さずにいるんだけど、ある日ふと、「お前って、俺より先に寝ることないよな」って言ってしまうんです。そしたらタテは一瞬止まるんだけど、すぐに何でもないみたく笑って、「えー、そんなことはないでしょ〜?」と返す。
「ううん、立松は絶対俺より先に寝ないんだよ」
「そんな断言されても…(笑)」
「ごめん」
「えっ」
「やっぱ今の無し。聞かなかったことにして」
「何それー(笑)」
「俺ほんとは、言わないでおこうって思ってたんだよ。言ったらきっと、立松が困ると思ったから」
「ははは」
「だから、無しな」
「一度言っちゃったことは、無しにはできないですよ〜」
「…そうだよなあ」
「そーですよ。うん、俺は、進藤ちゃんが眠りについたのをしっかり確認してからじゃないと安心して眠れないです、確かに」
「…なんで?」
「なんでですかねー。あれかね、ほれ、眠ってる間に進藤ちゃんがどっか消えちゃったら怖いなーとか、そんなあれなんですかね」
 だからね、ほんとはね、一睡だって恐ろしいのよ。目を閉じている間に世界が変わってしまうのが怖い。でも目を開けている間にも僕らはどんどん変わってしまっていて、心を閉じることで気付かない振りをしてるだけ。目を閉じていても開けていても怖い。どうしろっつーのよまったく。

 えーと大学一年の秋くらいの話でいいよ。立松が出て行くちょっと前くらいの時期。眠ってる間に進藤ちゃんがどっか行っちゃったら怖いーとか言ってるタテ本人が、進藤ちゃんが寝てる間にどっか行っちゃうんだよ。







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