・・・続・美しき友情の物語(だから嘘だってば)・・・

●・○・● 続 と も だ ち ●・○・●


 恐ろしいことに、失恋パーティーは決行されてしまうのだった。俺の意に思いっきり反して三人で。
 週末、俺と一馬は結人の家に泊ることになった。「失恋パーティーだ!」と、とても楽しそうに主張していた結人だったが、さすがに一馬の前では言ってない。(そもそもそんなこと言ったら一馬が来るわけない・そしてそんなこと言ったら結人は人間失格)
 お菓子・ジュース・酒の準備は万端。いつもよりどっさり買い込んだせいで、「なんか今回は豪勢だなあ」と一馬もびっくりしてた。
「そうそう、今回はね、豪勢なんだよ。な、英士!」
 と俺に向かって言った時の結人のあの心底愉快そうな笑顔を俺は一生忘れるまい。恐ろしい。奴は悪の申し子か? 結人って、昔からイベント事が好きなんだよな。活き活きしちゃって…。俺はというと、もう萎え萎えです。結人に生気全部持ってかれてる感じ。でもまあ救いだったのは、一馬が俺に対して普通に接してくれたこと。妙に気を遣われたりしたらどうしようかと思った。と、ほっとしつつも、心のどこかでは、「お前よくそんな平気な素振りが出来るな」なんて一馬のことを責めていたりもした。そんな自分が嫌になる。ああ自己嫌悪。
 とか、そんなじめじめしたことを思いつつ、二人がしゃぶしゃぶの準備をしている時から、既に俺は浴びるように缶ビールやら缶チューハイを飲んでいるのだった(やけ酒)。あ、そうそう、当初チーズフォンデュをやる予定になっていたのだが、前日になって結人が「肉が食いたい。しゃぶしゃぶやろう!」などと言い出したせいで、急遽チーズフォンデュからしゃぶしゃぶにメニューは変更された。俺はチーズフォンデュが良かったのに…。控えめに自分の意見を主張してみたところ、結人に思いっきり却下された。結人があまりにあっさり「だーめ!」なんて言うものだから、俺はむっとして食い下がろうとしたのだが(だって結人、これは俺のための失恋パーティーなんだろ? 何故メインメニューがお前の一存で変更されたりするんだよ)、一馬の「俺もしゃぶしゃぶの方がいいなあ」なんていう呟きによって、俺はいともあっさり反論を止めたのだった。一馬がしゃぶしゃぶがいいと言うのなら俺はそれでいいよ・よくないわけがない・チーズフォンデュ? 何それ? 馬鹿馬鹿しい・やっぱ寒い季節はしゃぶしゃぶでしょ・それしかないでしょ・YES! とまあそんな感じ。
 …あああああ…、こんな自分が恐ろしい…。

 鍋を目の前に、「よーし、しゃぶだぜ!」と結人が意気込む。うわ、結人、その言い方はどうかと思うよ。「よし、しゃぶろう」と一馬も意気込む。うわ、かかか一馬、その言い方はやばいって! (何がだ)
 ああ、なんと嘆かわしいことだ、混沌としていく現代の日本語よ、哀しき日本語よ、俺にはお前の嘆きが聞こえるようだ。
「『しゃぶしゃぶ』を略したり、あまつさえ動詞化したりしないように」
 俺の日本語愛護精神に満ちた言葉に、
「え〜? なんで〜〜?」
 二人は同時に言い返す。(わざわざハモるな) ああ、いやだ! これだから今の若い者は。
「ま、酔っ払いの言うことですから放っておきましょー。さっ、食うぞ食うぞ〜」
 結人はそう言いながら、箸で肉を掴んだ。
「英士は食べないのか?」
 一馬が俺に声をかける。ああ、一馬! 一馬はなんて優しい子なんだろう!
「今はいい」
 せっかくの一馬の心遣いを無にするようで胸が痛む限りだけど、今は肉を食べる気にはなれない…。
「なあ、ちょっと飲み過ぎだよ、お前」
 心配そうな一馬。一馬の表情の奥には微かだけど確かに罪悪感のようなものが見て取れて、そのことによって俺の方こそ罪悪感を感じずにはいられなくなる。ああ一馬、一馬が罪悪感なんて感じる必要は一切ないんだよ。悪いのは俺なんだから。勝手に好きになって勝手に玉砕して勝手に落ち込んで勝手に飲んでるだけなので放っておいてくれていいんだよ。あ、いや、さっぱりすっぱり放っておかれても泣けるけど。でも、一馬が俺に対して負い目を感じる必要なんかはどこにもなくて…。いや、でもちっとも負い目を感じないなんて、そんなのは冷淡過ぎる。一馬はそんな冷たい人間ではないはずだ。冷たい人間などころか、もう、ほんとに優しい子なんだ、一馬は。優しくて繊細でナイーブで可愛くてリンゴジュースが好きで…、ああ、リンゴジュースを美味しそうに飲む時の一馬のあの幸せそうな顔といったらどうだろう。こっちまで幸せになるってものだ。そう、一馬を見てると幸せになる。一馬が幸せだと俺も幸せになる。俺のせいで一馬が悲しんだり困ったりするなんて、あってはならないことで、そんなこと俺自身が一番よく分かってる。だから、一馬は、一馬が好きな例のソフト部の女の子とお幸せに。うう、その女の子が羨ましい。もう本当にとんでもなく羨ましい。というか憎々しい。呪いたい。一馬、どれくらいその子のことが好きなのかな。どうなんだろ。何かの間違いであってくれないかな。神様、何かの間違いでありますように。うん、いや、というか、間違いだ、間違い。そうそう、だって一馬、「あの子は友達だ」って言ってたし。そう、友達なんだ、友達。いや、友達なのは俺だ、俺。ちゃんと友達でいようって決めたんだった。宣言もしたんだった。でもなあ。うーん。俺だったら一馬を絶対に幸せにしてあげられるのになあ。いや、『幸せにしてあげられる』なんて傲慢か。そう、『二人で幸せになろう』! これだ。俺達は誰もが羨む世にも幸せな恋人同士になれるに違いない。結人だって祝福してくれるだろう(たぶん)。あ、なんか、今、二人がテレビ見ながら、「やっぱ優香って可愛いよな〜」「うん、可愛い」とか言ってる。いや、一馬の方が断然可愛いよ! もう絶対に! ああ神様、どう考えてもこういう思考は間違ってます、健全な男子中学生の思考から大いにずれてます、よく分かってます。神様、俺の目を潰して下さい。いや、もう目といわず、存在自体を潰して下さい。だって、もう生きていけない。一馬に振られてしまった。告白なんかしなきゃよかった。いや、ずっと想いを秘めたままでいたって、それはそれで苦しくて苦しくていつかは破綻してしまう。破綻する時期が早まっただけのことだ。告白しようとしまいと結果は見えてた。どうしようもないなあ。どうしようもない。どうしようもないよ、日本の政治は。どうして、政治家はあんな無能な人間ばかりなんだろう。どうか俺を総理大臣にして下さい。俺が日本を変えてやる。ああ、俺やっぱり、チーズフォンデュが食べたかった。ああ、俺やっぱり、一馬のことが好きだ。俺、やっぱり、飲み過ぎかも。なんだか頭の中がとりとめない。そういえば、体の方もどことなく、感覚が曖昧だ。視覚も聴覚もどこかぼんやりしている。酔ったのかな…。俺、酒は弱くないんだけど。そういえば、精神状態があんまり優れない時に飲み過ぎるとよくないってどこかで耳にした気が。


「ちょっと…、英士、お前ほんとに大丈夫かよ…、なんか、魂抜けたような顔してるけど…」
 一馬が俺の顔を覗き込んでる。そんな近くに寄らないでほしいな。なんか、妙な気になってしまうんですけど。ああ、だめだめ、妙な気を起こしちゃ駄目。あ、でも今妙な気を起こして何か変なこと言ったり変なことしたりしても、『酔ってたんですごめんなさい以後気を付けます』で済まされるかも? おお、それってチャンスじゃないか。いや、駄目だ駄目。それは人として間違ってる。俺はそこまで堕ちてない。そこまで堕落してなるものか。
 駄目・駄目・駄目、とか思ってたにも関わらず、ふと気付くと、がっしりと一馬の両手を握り締めていた。思考と行動が完全に矛盾している。アルコールの魔力って恐ろしい! (酒のせいにしてるし)
「英士?」
 戸惑う一馬。
「こらこらー」
 突っ込みつつも肉を湯に通してる結人。
 あ、なんか俺、思いっきり口が滑ってしまいそうな予感。
「一馬! 一度だけ…、一度でいいからキスさせてくれないか?」

     (間)

 あーあ、予感的中。とんでもないことを言ってしまいました。こうなってくるともう止まらない。なんか思考がどんどんと…。
「え? 今、なんて…」
 一馬は呆然としながらも聞き返してきた。
「おいおい」
 さすがの結人も肉を食べる手を止めて箸を置く。
「一度でいいんだ。どうか、俺のことを可哀相だと思うなら…、お前に慈悲の心があるなら…」
「…え、英士…」
「英士〜、落ち着け〜」
「一度だけキスさせてくれたら、なら、俺、本当に、一馬のことは綺麗に諦めて、ちゃんと友達として…、」
 
バコ!
 頭に激痛。結人のやつ、ジャンプで人の頭を思いっきり殴りやがった。
「もーやだねー! 酔っ払いはこれだから!」
 手加減てものを知らないのか、こいつは! 頭がじんじんする。文句を言いたくとも、あまりの痛さに声が出ない。俺は頭を押さえてその場に寝転がった。
 本気で痛い。頭が割れる。いや、頭が割れた。結人め。
「ははは、アホだなーこいつ。ま、一馬、酔っ払いの言うことだからさ。気にすんなよ」
「………」
 一馬は何やら深刻な表情で考え込んでしまっているようだ。
「…もー、真に受けてんなってば!」
 しばらく寝転んでると、だんだん頭の痛みも和らいできて、同時にどんどん頭が冷えてきた。そして、じわじわと訪れて一気に膨れ上がる後悔。一体、俺は何てことを…。今は、俺の頭を殴った結人にちょっと感謝。(でもちょっとは手加減しろって)
 酔いが醒めてきて、冷静になってきた。アルコールの魔力って恐ろしい。(また酒のせいにしてるし)
 俺はとりあえず起き上がって、すぐ隣りで何やら考え込んでる一馬に謝る。
「悪い、一馬、今の忘れて。俺、ちょっとどうかしてた」
「どうかし過ぎだよ…。ヒヤヒヤすんなあ、も〜」
 呆れた声で結人が呟く。もう既に元の位置に戻ってしゃぶしゃぶを再開してるし。一馬は未だ心ここにあらずな状態で何かを考え込んでいるようだ。
「一馬?」
 もう一度名前を呼ぶと、一馬ははっとしたような顔になる。
「あ、ごめん、ちょっとボーっとしてた」
「…ああ」
「それにしても。すごい音したけど。英士、頭大丈夫かよ?」
 一馬はそう言って、俺の頭にそっと手を乗せた。ああ…今は…一馬の優しさが痛い。身を切られる思いだ。まいったな。ほんとまいった。友達でいようって、本気で誓ったのに。未練たらたらじゃないか。駄目だ…、ほんとに駄目だ…。

 午後十時半、とりあえず宴(?)は御開き。泊りの予定だったけど、俺は帰ることにした。今日はもう自分の家に帰ってゆっくり休みたい。二人にそう告げると、一馬は、じゃ俺も帰る、と言い出す。
「えー、一馬は泊ってけばいーじゃん!」
「そうだよ。結人んちに泊めてもらったらいいじゃないか」
「だって、英士が心配だし」
 う…。
「そう? 俺は全然心配じゃないや」
 結人が冗談ぽく言ってワハハと笑う。
「だって、英士、酔っ払ってるし…」
「いや、もう酔いは完全に醒めたから。平気」
「英士も泊ってけばいいのに」
「英士は帰りたいって言ってるんだから、そうさせてやりなさい、一馬」
 そう、もう今日は家に帰りたい。ちょっと一人になりたい。自分ちの風呂に入って、自分のベッドで眠りたい。なんか、もう、そうやって自分を落ち着かせてやらないと、いい加減どっかが切れてしまいそう。ああ…なんか疲れた。本気で疲れた。失恋パーティーのせいで疲労困憊。
「じゃ、駅まで送るよ」
 一馬、そんなに気を使わなくとも…。
「気持ちだけ貰っておくよ」
「じゃ、途中まで送る。家と駅の中間くらいまで」
「ほんとにいいって」
 俺は思わず苦笑してしまう。まいったなあ。困るよ。でも、悪い気はしない。困るけど。
「じゃ、ちょっとだけ。50mくらい送る」
 …一馬、そんなにまでして俺を送りたいのか…。何、俺、そんなに心配されてるのか? 嬉しいような哀しいような複雑な気持ちだ。
「いや…、一馬、ほんとにいいって…」
「いいじゃん。送ってもらっとけ」
 結人が笑った。
「ほら、結人もそう言ってるし!」
 そう言いながら、一馬は勢いよく立ち上がって、ハンガーにかかってるコートを取る。
「俺は送らないぞー。寒いもんねー」
 と結人。
 一馬がコートを着てる隙に、結人が俺に目線を送ってきた。しかも口元に笑みを浮かべながら。何、その、楽しそうな笑いは。結人の口が声を発さずに、パクパクと動く。え、何?
 『ガ』
 『ン』
 『バ』
 …ガンバ?
 ガンバって。頑張れって? …頑張れって何を…? だって、もう、駄目じゃないか、俺は。頑張りようがないでしょ。呆れたような表情を結人に送ると、結人は歯を見せて笑った。
 頑張れません。もうこれ以上。

 俺と一馬は、暗い道を黙々と歩いた。自分の右隣りを一馬が歩いてる。それが、とても苦しくて、とても嬉しい。どうしよう。胸が痛い。
「もう、この辺りでいいよ」
 立ち止まって俺が言うと、一馬は「そう?」と聞いた。
「うん。送ってくれてありがと」
 その時、突然、
「あ!」
 そう言って、一馬が手を上げて左上の方を指で差す。一体何事かと思って、とりあえず俺は一馬が指差す方向に顔を向けた。
 途端、右頬に柔らかい感触。
 なんか、ほっぺにキスされたみたいなんですけど。
「え、英士、これからも友達でいてくれな! じゃ、ま、またな! 気ぃ付けて帰れよっ!」
 一馬は真っ赤になりながら、たどたどしく別れの言葉を口にして、俺に背を向けて、来た道を走って戻ってった。
 俺は右頬に手を置いたまま呆然と立ち尽くす。

 うわ。
 もう、
 どうしよう。
 ああ、
 一馬は、酔っ払って俺が言ってしまったことを真に受けたんだろうな。『一度だけキスしてくれたら諦めがつく』ってやつ。もう、こうなってくると、諦めないと人間失格なのかもしれないけど。余計諦められないじゃないか、一馬。
 ………………………どうしよ。
 ガンバ、と言った結人の顔が目に浮かぶ。どうしよ、結人。俺、頑張ろうかなあ。いや、でもそんなことしたら、とんでもなく一馬を苦しめることになるだろう。ああ、でもなあ。どうしよ。しかし、普通、真に受けるか? こんなことするか? あまりにもうかつだ。うかつ過ぎる。ここまで素直だと美徳とは言えない。まずいよ、一馬。ああ、でも、もう、だから、そう、お前のそういうところが好きなんだよ。本当に好きだ。どうしよう。どうしようもない。












後日、
結人んちで。

「ああ…、俺は一生あのキスの味を忘れないだろう…」
「味って。ほっぺにチューだったんだろ。味なんか分かんねーじゃん」
「ああ…、一馬の唇柔らかかったなあ…」
「未練がましいなあ、もう」
「ああ…、どうせなら口にしてくれれば良かったものを…」
「……」
「ああ…、胸が痛い…」
「………」
「ああ…、一馬ってなんであんなに可愛いんだろう…」
「…………」
「ああ…、神様…」
「……………」
「ああ…、」
「ああああああああああ!!!
 うっ・とう・しいっ! お前っ・死ぬほど・鬱陶しい! 死ね! 死んでしまえ!」
「だって、結人、一馬が
「あああ…イライラするっ。もー嫌だ! イライラする! 去れ去れ、英士。失せろ失せてしまえ。とりあえず自分ち帰れ。んで、もーしばらくは来るな。鬱陶しいから!」
「結人、」
「もー俺は知らねーぞ」
「悪いね。愚痴っちゃって」
「そーだぞ。悪いぞ。俺に感謝しろよ」
「してるよ」
「あっそ。なら、いいよ」
「……ものすごくあっさりしてるな、お前」
「それが俺の美点です。
 でもな、英士、いい加減にしとけよ。うざいから。あまりのうざさに息の根を止めてやりたくなってしまうから」
 若菜結人、顔が本気だ。目が据わってて怖い。
「…はい」
「で、どうだ? ちょっとは落ち着いてきたか?」
「俺は常に落ち着いてるけど?」
「どーだかね。
 で、やっとこ落ち着いてるとこにこんなこと言うのも気が引けるんですがね、」
「……何? なんか嫌な予感」
「オー、イエス。嫌な予感大的中」
「うわ」
「悲しいお知らせがあります」
「…やめて。悲しい話は聞きたくな
「英士、心の準備をしろ」
「した」
「準備すんの早いな、おい。ま、いいや。
 じゃ言うけど。一馬さ、つきあうことになったんだってさ。ほら、例の女の子と。泊りん時に聞いたんだよ。…や、なんていうかさ、ま、頑張れなんて言っちゃって悪かったな」

    (間)

「…あ、なんか、今、幻聴が……」
「……英士〜、気を強く持てー! しっかりするのだ! 幻聴じゃない。これは事実だ。まごうことなき事実なんだ。現実を見ろ。しかと現実を見るのだ!」
「う……」
「こういうことはさー、一馬本人の口から言うべきだって言ったんだよ? 俺は。なのに一馬の奴、『自分からは言いにくいから結人からさり気なく伝えといて』とか頭下げてくんだもん。もー、こんなことどう『さり気なく』言えっつんだよ。俺だってすげえ言いにくいっての(一馬には今度昼飯おごってもらう約束取り付けたけど。死ぬほど食う気満々だけど)」
「…………」
「もー俺ってば損な役割だよな〜。そう思わねえ?
 って英士、ちゃんと聞いてるー?」
「……え? あ、うん、まあ、はあ、聞いてます」
「英士…、そんな間抜け面しちゃって…。そんなにもショックなんだな…。ま、そりゃそうだろうけどさ。可哀相に! 
 でもな! 英士! 元気だせ! ダイ・ジョウ・ブイ・だ! 『やまとなでしこ』の欧介だって、雪子さんにふられたことを7年間も引きずってたけど、桜子に出会って、彼女に恋をしたんだ! というわけで、お前もいつか運命の人に出会えるので、あまり落ち込まないように。OK?」
「結人…、ダイジョウブイは古過ぎだろ」
「気にしない気にしない。」
「結人…、俺、月曜9時は『たけしのTVタックル』見てるから、やまとなでしこネタは分からないよ」
「バカ、お前、日本国在住のヤングが月9見なくてどーするよ。見ろよ! 菜々子を見ろよ!」
「結人…、」
「なんだなんだ。まだ何かあんのか」
「俺、泣いてもいいかな」
「ど〜ぞ」

☆★☆★☆★☆ (※泣こうとしている最中です)

「……な、泣けない。どうやったら涙って出るんだっけ?」

    (間)

「…英士! お前、おもろい!」
結人が俺の肩にポンと手を置きながら言った。
……おもろいって……。
「郭くーん、強く生きたまえよ〜」
「うーん、ちょっと無理」
「あ、も一回改めて失恋パーティーやるか?」
「うわ!」
 絶・対・嫌・です。
「一馬も誘ってさ〜」
 ま、またそれか!

 あああ、もう…、だから、こんなんじゃギャグだって…。








・終わり・
Nov.9,2000
やまとなでしこ、
だいすきでした。
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