愛・憎しみ、ごった煮の曲がり角で、
背中刺されて、目の前まっくら足元まっかo
さらば、まばゆい汚れた世界
顔文字濫用の遺書を残して僕はゆくo
ねえ、でも、愛するひとよ、
先立つ僕を、ぜったいに、許さないでよo
病めるときも、健やかなるときも、あなたと一緒に居たかったのよ、ほんとうはo

2003年10月5日(日)
 えーと幾度と無く立進大学生編についてのうわごとを漏らしてはいるんですが、まだまだ漏らしたい。だだ漏れです。
 今までのうわごと↓
★あ、今未来がちらっと見えた。多分あれだ。タテと進藤ちゃんが初めて交わるのは大学(別々の大学行ってます)一年の夏休みです。で、翌朝、「ねーねー、もー俺ら同棲しちゃわな〜い?」ってタテノリが冗談半分で言うんだ。ベッドに腰掛けてモーニングコーヒー飲みながら。そしたら進藤ちゃんは、「じゃ一緒に住む?」って。で、「住んどく?」「住んじゃう?」「いっちゃう?」「もーう!」ってノリでどーせーけってー。BGMは当然モ娘のモーニングコーヒーです。勇気があるなら連れ去ってくれればいい、私達の未来まで…
★大学一年の夏休みに一線を越えてしまう立進とか見たいです。そんでタテと進藤ちゃんは同棲し始めるんですけど、一緒に住み始めたら、これが意外にうまくいかない。つまんないことで傷付けあったりして、お互い苦しむ。冬が始まる頃、タテは進藤ちゃんを置いて出ていってしまいます(距離が近付き過ぎて、色んなことが恐ろしくなって逃げてしまったのです)タテがいなくなってしまい、残された進藤ちゃんは呆然として、しばらく学校も行けないような状態になっちゃうんだけど、色々考えた末「俺は絶対立松を諦めない!」って結果に至る。一方タテは、田中(同じ大学行ってる/とーだいですよ)んちに転がり込んでます。田中の説教を冗談でかわしたりして、明るくヘラヘラ振る舞ってるんだけど、ほんとはものすごい自己嫌悪で死にそうな気持ちになってて、夜とか全然眠れない。
★タテが出てくのは進藤ちゃんの19歳の誕生日でいいです。誕生日の朝、目覚めたら、愛する人はいなくなっていた・・・、っていう。かなしい〜。進藤ちゃんは打ちのめされるんだけど、絶望の裏側で、どこか解放感を感じてしまって、「やっと普通に息ができる」とか思っちゃう。喉が渇いて、冷蔵庫を開けるも、次の行動に移せない。開けっ放しの冷蔵庫の前に座り込んで、進藤ちゃんは放心状態。精神はとても自由でとても不自由なかんじ。油断すればどこかに飛んで行って戻って来れなくなりそう。昨夜隣りで眠ってたはずの愛する人の顔がぼんやりしてゆく。BGMは岡北あゆの「19年目の朝」で。♪恋とゆう雨でびしょぬれになって風邪ひいちゃってたの〜
 もうほんと、火九じゃなくてもいいから大学生編やってください(怒)やるべき。
★同棲立進
立「進藤ちゃん、おかいりなさい!」
進「ただいまー」
立「(進藤のバッグを持ってあげながら)あなた、ご飯にする? お風呂にする? それとも、ワ・タ…ぎゃっ!」(進藤にデコを思いきり叩かれました)
進「テンション高過ぎて付いていけない」
立「(デコ押さえつつ)なーにを今更。ていうか痛いよ(笑)!」
進「『ワタぎゃ』にする」
立「えっ!」
進「うん、だから、ご飯でもお風呂でもなくて『ワタぎゃ』にする」
立「ひ、ひえ〜」
進「稗(ひえ)…?」
立「ア〜ンもうタテノリってば進藤ちゃんに振り回されっぱなし…! しやわせ〜☆・:.,;*」

 えーと以前のメモでは、「進藤ちゃんは、色々考えた末『俺は絶対立松を諦めない!』って結果に思い至る」みたいなこと書いたのですが、思いきり訂正。進藤ちゃんの思考が辿り着いたのは、もっと全然別の場所です。自分と立松は、両思いには違いないはずなのだけれど、一緒にはいられないのだ、という考えに到着してしまう。そのとき進藤ちゃんは、すごく打ちのめされるんだけど、急に前向きになるのです。ちゃんと立松にさよならしようって思う。立松が居なくなってからというもの、立松が居ないと生きていけないんじゃないかと思い詰めたり、ちゃんと話をしたくて勇気を出して立松に会いに行ったのに避けられて、もう世界の終わりみたいな気持ちになったり、その裏側で解放感を抱いたり変な自己陶酔(可哀相な自分に酔う)に浸ったりとかで、気持ちがぐちゃぐちゃだったんだけど、一気に頭の中も胸の中もすっきりするのです。立松と離れても頑張れる、一緒に生きていけなくても、この先永遠に会えなくても、心の中でずっと好きでいられる、誰よりも信じてる、世界中の誰もが立松を非難しても自分は絶対に彼の味方だ、だから、ちゃんと立松にさようならとありがとうを言って、明日から俺は俺でちゃんと前を向いて歩いていこう、って思う。そいで翌日進藤ちゃんはタテに会いにゆく。
進「俺はお前のことが好きで、きっとお前も俺のことが好きなんだって、信じてるけど、でも、俺たちは上手くいかない。一緒に居られない」
立「……」
進「一緒に居られないんだよ」
立「…うん。そんなの、ずっと前から知ってたよ」
進「ははは。俺は、昨夜初めて気付いた」
立「そう」
進「今まで色々ありがとな。それだけは言っときたくて。…じゃあ、俺もう帰るから」
 進藤ちゃんがくるりと背を向けたとき、タテは思わず、「進藤!」と呼び止める。進藤ちゃんは、もう気持ちの整理はついてるはずなのに、名前を呼んでもらえたことに感動して、「それでも一緒に居たいから居よう」って、立松が言ってくれるんじゃないかと期待してしまい、でもそんな期待、泡のように消えてしまうことは分かってて、それでも一縷の望みを捨てることができなくて、胸を震わせながらゆっくりと振り返る。
立「色々ごめんね」
進「…」
立「色々巻き込んじゃって、ごめんなさい」
進「できればもっと色々巻き込まれてやってもよかったんだけど(笑)」
立「わはは」
進「バイバイ!」
立「…アディオス!」

 とかいうようなのが秋ドラとか冬ドラで見たいんですって(いい加減しつこい

2003年10月6日(月)
 昨日のメモの続き
 進藤ちゃんとさよならを言い合った後、立松はぼんやりと田中んちに戻って、田中のベッドでぐったりと死んだように眠り、起きたら翌朝の10時。「お前のせいで昨夜はソファーで寝るはめになった」と文句を言いつつも、田中はなんだか浮かれています。何故なら今日は花村さんとデ〜ト(と田中は思っているが、花村さんはそうは思ってないかもしれない)だからです。
立「あー窓から飛び降りて死んじゃおっかにゃ〜」
田「何か言ったか?」(浮かれ過ぎて人の話なんか聞いてない)
立「……」
田「どうかしたのか?」
立「別にどうもしないけどさあ」
田「そうか」(鏡の前で必死で髪型とか服装を整えています)
立「…デートですか?」
田「まあな」(めちゃめちゃ嬉しそう)
立「親友が落ちまくってるときにデートですか!?」
田「さっき『どうもしない』って言ったくせに」
立「どうもするよ! 見たら分かるでしょ! 今にも死んじゃいそうよ俺ってば!」
田「飛び降りるなよ。僕の部屋の窓から飛び降りるのだけはよしてくれ。じゃあ行ってくる」
立「俺も行く!」
 田中は死ぬほど嫌がりますが、タテは強引についていきます。で、タテと花村さんのほうが仲良く談笑しちゃったりして、田中はプンプン! (プンプン…?)なのですが、まあ三人仲良く映画観たりご飯食べたり。タテは普通に楽しんでたんですが、「なんだかんだで田中と花ちゃん、うまくやってるよなー」とかしみじみ思ったら、なんか急に嫌な気分になってしまって、「俺、用事思い出しちゃったから先に帰るね!」と言い出す。
田「えっ、そうなのか!?」(素直なので顔がぱっと明るくなります)
立「いいかげん邪魔者は消えますよ、ウフフ…」
花「せっかく会えたのにもう帰っちゃうんだ。残念」
田「えっ」(そうなんですか花村さん! 残念なんですか花村さん! 僕と二人じゃつまらないですか花村さん! という思い)
 タテは去り際に、田中の耳元で、「チューくらいはもうした?」って囁いて、田中を真っ赤にさせます。ちなみに田中は花村さんとチューどころか手も繋いだことないです。ピュアラブ! 立松は一人でぶらぶら歩きながら、「あーカップル多いなーってゆーか多すぎだぜ。みんな死なないかな〜、なーんちゃって★」とかぼんやり思う。その途中で高原さんと石塚ちゃんにばったり会ったりするといいです(すごい偶然だネ!) 高原さんと石塚ちゃんは、高校んときと変わらないノリで、そんな二人を見て立松は、「なんか昔に戻ったみたい」とか思って微笑んじゃうんだけど、その後どっと悲しくなって、「俺と進藤ちゃんの関係は、ありえないくらい変わっちゃった。もう絶対戻れない」って痛いくらいに感じて、胸が詰まる。
高「どうかしたのか?」
立「どうもしないよ。なんか、昔に戻ったみたいだなあ、って思ったら、かんどーしちゃって」
石「昔っていうほど昔でもないでしょ(笑)」
 そう言われてみればほんとにそうで、でも立松には、高校時代がものすごく遠くに感じられる。立松は、高原さんと石塚ちゃんについつい弱音を吐いちゃうといい。といっても、進藤ちゃんとケンカしちゃったんだー、くらいで。高原さんは、「立松は色々考え過ぎなんだ。もっとバカになれ」とか言う。石塚ちゃんは、「まあそういうとこが立松のチャームポイントでもあると思うんですけどネ。ほら、ギャップのあるキャラって受けるでしょ」とか言う。立松は高原さんと石塚ちゃんに癒されて、あー仲間っていつまで経っても仲間だなーって改めて思う。そいで、田中と花村さんのデートに無理について行ったこととか反省して、特に田中には色々迷惑かけてるからいつか恩返ししないとなーって思う。そして、進藤ちゃんの顔を思い浮かべて、ぐっと胸に込み上げてくるものがあって、あまりにも好きで、これからもう二人の人生が交わることはないのかと思うと苦しくて、信じられなくて、耐えられないと思う。一方進藤ちゃんはというと、もうこれからは一人で暮らすんだから、引っ越すべきなんだろうなーって思ってる。一人で住むには広いし、家賃も高いし。でも、とても引っ越せる気がしないんです。気持ちはすっきりしてて、立松が居なくても平気って感じてるのに、でも、ここはまだ二人の場所なんだって、立松が戻って来たいならいつでも戻って来ていいんだよって、思ってる。
 それからしばらくして、高原さんやら石塚ちゃんやらの提案で、同窓会っぽい集まりが行われるとよい。シンクロやった仲間達や先生方や、あと花村さんと麻子も。タテは、行くのをすごく躊躇するんです。進藤ちゃんと顔を合わすのが怖いから。でも、田中に強引に連れられてゆく。進藤ちゃんが他人行儀だったらどうしようって不安だったんだけど、進藤ちゃんは高校時代みたく立松に接してくる。何もかも、無かったみたいに。二人の間には、肉体関係も、吐き気がするような罵り合いも、別れもあったのに、そんなの全然無かったみたいに、そこには美しい友情しかないように、進藤は立松に接する。「無視されたほうがよっぽどマシだ」って立松は思う。そんなふうに思う自分はなんて勝手なんだろうと感じつつも、進藤ちゃんの態度に打ちのめされるんです。何にも無かったように振る舞われる。もしかしたら進藤の中ではもうほんとに何も無かったことにされてるんじゃないかって、進藤はもう自分とのことなんてすっきりさっぱり過去のことにして、ちゃんと自分の道を歩いて行ってるんだと思うと、苦しくて、許せなくて、許せないなんて思う自分が許せない。で、トイレに行く振りして途中で同窓会を抜け出そうとする。でも、出口で、
進「トイレはそっちじゃないよ」
立「…!」
進「あっち」(トイレの方向を指差しながら)
立「あらー、そうだったの。タテノリったら方向音痴だから〜」(進藤が指差した方向に行こうとする)
進「またそうやって、黙って逃げようとするんだもんなあ」
 進藤ちゃんは苦々しく笑って、そこで立松は、「ああ、やっぱり、俺たちの間にはちゃんと色々あったんだよな」って思って、ほっとして、ほっとする自分に呆れて苦笑してしまう。
立「だって進藤ちゃんがさあ、何事も無かったみたく普通に笑ってるんだもん」
進「俺のせいかよ(笑)」
立「あんた以外の誰のせいだってゆうのよ。ぜんぶぜんぶ、あなたのせいよ」
進「出てったのはお前のほうじゃん」
立「イタ〜ッ。それを言われる痛いぜ」(胸を押さえて苦しむ振り)
進「まあいいけどさ」
立「いいのかよ(笑)!」
進「わはは」
立「(胸を押さえたまま)進藤ちゃんと離れてても、心臓は動いてて、息もしてるし、学校にも行けるし、ご飯も食べれるし、田中をからかったりとかもできてるわけよ。なんか、信じらんないよ。離れたまんまでいたら、心臓が止まると思ってた。止まってもいいやって思ってたの。だって、意味無いんだもん。進藤ちゃんと一緒に居られないなら、心臓の意味が無い。ってついうっかり口が滑って誇張しちゃったから軽く流してね?」
進「……」
立「そーいや部屋の鍵、持ってたまんまだった。返すよン」(ポケットから鍵を取り出して進藤に差し出す)
進「持っててよ。いつでも帰って来ていいし」
立「…さすがに、そこまで甘えらんない。俺、情けなさ過ぎ」
進「情けないのはお互い様じゃん?」
立「や、リーダーは、ぜんぜん情けなくないです、男らしいです…」
進「お前は俺のこと買い被り過ぎだよ」
立「…」
進「困るよ。でも、うれしい」
立「買い被ってなんかないもん。進藤ちゃんは、ほんとうに、素晴らしいよ〜」
進「あーはいはい」
立「(思い詰めた表情になって俯いて)もっと俺が…、俺が、もっと、進藤ちゃんと釣り合う人間だったなら…」
進「立松…?」
 立松はいきなり進藤ちゃんを抱き締めます。
立「俺、進藤ちゃんのためなら死ねる。というか死ぬなら進藤ちゃんのためじゃないと嫌っていうか。なんでもできる。ここで自分の胸かっさばいて、心臓取り出して差し出すこともできるよ。そんなことしたって困らせるだけなんだろうけど、本当に心からそう思ってるって、証明しようと思えば、できるんだよ、ほんとに」
 ゆっくり体を離して、「きもいこと言ってごめん」と立松は謝る。何か言おうとする進藤の口を手で塞ぎ、「何も言わなくていい。なんも言わないで。自分勝手でごめんなさい」そして、大事そうに鍵をポケットに仕舞い、「鍵は、お守りにさせていただきます」と言って、立松は笑う。

 ていうか出入り口付近でこんなやり取りするタテと進藤ちゃんて。オープンなホモだ(素)

2003年10月6日(月)その2
 いちんちに二回書いとる。こわいよ(素)とめどなく、とりとめなく、大学生編…(はいはい)
 同窓会の二次会は居酒屋とかで。タテは考え無しにガンガン酒呷って悪酔いしちゃってみんなに絡んだり机に突っ伏したりでぐちゃぐちゃです。
立「うーーん、死ぬーー」
高「大丈夫か、立松」
石「も〜、飲み過ぎだよ〜」
立「…吐きそう…(田中の肩にもたれかかりつつ)ここで吐いてもよい?」
田「おい、進藤、こいつをなんとかしろ」
進「えっ」
 で、進藤ちゃんがタテをトイレに連れてって、背中さすってあげるんです。タテはゲーゲー吐いて、泣いて。やっと落ち着いて、顔とか洗ったあと、
立「頭とか体とか冷やしたいからしばらく外に出てるわ」
進「…心配だからついてく」
立「もう平気よ。そのまま勝手に帰ったりとかもしないから(笑)」
進「でも、ついてくよ」
 二人は、駐車場の隅っこに座って、自販機で買ったあったかいお茶を飲みながら、黙りこくってる。沈黙を破ったのはタテの小さな笑い声。
立「もう俺ってば情けなさ最高潮っていうか。みっともなさ過ぎ。開き直って笑いも零れるってなもんですよ」
進「確かに、みっともない」
立「ワハハハ、いともあっさり肯定ですかい!」
進「うん、でも、みっともなくていいよ。もう、なんでもいいよ」
立「なんでもいいよってアンタ(笑)」
進「立松なら、なんでもいいや」
立「…フフフ…、別れた男に、そんな優しい言葉を…」
進「優しくないよ」
立「…」
進「俺は全然優しくない。結構勝手で、結構冷酷だよ」
立「わはは!」
進「ははは」
立「どこで間違っちゃったのかなあ」
進「なんだよいきなり」
立「やっぱあれが間違いだったんかな」
進「…一緒に暮らし始めたこと?」
立「ていうか、やっちゃったこと?」
進「えっ」
立「えっ、って(笑)」
進「あー…」
立「あー?」
進「あー、うん、でも、それは、別に、っていうか、うん」
立「うん」
進「俺はさ、ちょっとっていうかかなり、感動したんだよなあ。その、そんとき。まじで。…って言ってて死ぬほど恥ずかしいんだけど…」
立「…」
進「うん、だから、後悔とかは、無いよ」
立「…俺は、後悔だらけですよ」
進「そうなの?」
立「そうよ。もっと上手くやれた。って、あ、これはアレの話じゃないよ? もっと全般的な俺らの関係っていうか付き合いそのものについてのことね」
進「分かってるって」
立「もっと上手くやれたはずなんだよなあ」
進「そうかなあ」
立「ていうか、俺が悪い」
進「…」
立「タテノリが、悪いよ。悪いのはわたくしでございます」
進「…勝手だなあ」
立「うん、俺って、勝手な人間なのよ、すごく」
進「知ってたけど」
立「わっはっは」

 あ、今気付いたけどこの人たちまだ未成年ですネ。19歳だから。つるっと忘れてました。

2003年10月7日(火)
 二次会の帰り道、タテは改めて「あーやっぱ進藤ちゃんってすごいなー」とか「俺の目に狂いは無かったぜ。俺ってば超趣味いい」とか思って一人で(※田中は花村さんを送って行ったので、タテは一人で帰ってるのです。進藤ちゃんは、タテを心配して、送ると言ったのですが、もう大丈夫っていうかむしろ俺が進藤ちゃんを送っていきたいくらいよ、とか冗談っぽくかわして、一人で帰ってます)微笑んで、その後、「とても手が届かないな」って思う。とても無理だ、って思うんです。でもそれは言い訳。自分は彼には不相応だ、なんていうのは、勿論ほんとにそう思ってるんだけど、でも、それ以上に、言い訳なんです。タテは、進藤ちゃんとまともに向かい合うのがとても怖い。否定や拒絶よりも、肯定や受容のほうがずっと恐ろしいと立松は感じている。立松を立松のまま受け止めようとしている進藤に、応えられる気がしない。
 立松は、なんとなく、同じ学校の女の子とかと付き合ってみたりするといい。そいで、「女の子って可愛いものなんだなあ」としみじみと思ったりするんだけど、他人事みたいな感じなんです。自分の彼女なのに、そんな感じがしない。かわいいな、とか、いい子だな、とかは思うんだけど、それ以上でもそれ以下でもなくて、今後もずっとそのままだと思ったから、悪いと思って別れを切り出したら、彼女に泣かれちゃって、「ああ、ぜんぜん悪くない子を泣かしてしまった」って思ったら、急に悲しみが込み上げてきて、立松まで泣いてしまうのです。進藤ちゃんとの間に何があっても、泣きそうになったことはあっても実際に泣いたことは無くて(同窓会の二次会で酔って吐いたときは生理的な涙が零れちゃったけど、それ以外では無い)、涙がぼろぼろ零れてくる。彼女はすごくびっくりします。
女「なんで泣くの?」
立「うっ、うっ、うっ…」
女「私のせい?」
立「…ううっ、俺のせいれす…」
女「…そっちにそんな泣かれると、こっちの涙が止まる…」
立「ごめんなさい…」
女「謝られると、惨めになるよ」
 そこでタテは、ふと進藤ちゃんを思い出す。「そういや俺、進藤ちゃんに謝ってばっかだったよなあ」って。進藤ちゃんも惨めな気持ちになったりしたのかな、って。
 あ、進藤ちゃんは、タテと彼女がデ〜トとかしてるところを偶然見かけたことがあるといいです(ラブストーリーにこうゆう偶然はつきものです) 仲良さそうに(進藤ちゃんにはそう見えました)話してる二人を見て、進藤ちゃんは、驚くっていうか、「なんで?」って、素で思う。「なんで、立松の隣りに居るのが俺じゃないんだろう?」って、そういう思いが、自然に胸に湧き上がってくるんです。立松と一緒に笑ってるのが自分じゃないことに、違和感を覚えてしまう。嫉妬してるとか、悲しんでるとかそんなんじゃなくて、ほんとに素で不思議な感じがするんです。立松の隣りに居るのが自分じゃないのが不思議。そんなふうに感じる自分はなんて傲慢なんだろう、恥ずかしい、と思うんだけど、止められない。
(あー、立松、笑ってるや。立松はあの女の子に、笑顔だけじゃなくて涙とかも見せたりするんだろうか)
 とか考えると、胸が詰まって、「やだなあ」って、すごく思う。立松が笑ってるときに一緒に笑ったり、立松が泣いてるときには側に居て一緒に泣いたり慰めたりしたい。それが自分の一番の望みであることを、進藤ちゃんは思い知る。一緒に居られなくても、大丈夫なんだって、ほんとに思ったのに、だからさよならしたのに、でも、やっぱやだなあ、って思う。ほんとは、傷付いても、傷付けても、側に居たくて、向かい合って、分かり合いたい。分かり合えなくても、分かり合おうとすることはできる。でも、自分のそういう思いが立松の負担になるなら、離れたほうがお互いのためのように思える。だけど、立松が苦しんでいるときに力になれないのがつらい。美味しいものを一緒に食べたり、ちょっとしたことで一緒に笑ったり泣いたり怒ったりできないのがとてもさびしい。
(さびしいよ、立松。一人なのがさびしいから、さびしいのが嫌だから、立松を恋しがってるんじゃないよ。他の誰でもない立松が居ないから、さびしい。お前が居なくても生きていける。ちゃんとできる。でも、この先もずっと、さびしいまんまだよ。さびしいまんまでも、立松が居なくても、生きていけるのが、さびしい)
 進藤は、そのとき一緒に居た同じ学校の友人に、ふと、「あのさ、好きな人に、目の前で胸かっさばいて心臓取り出して差し出してほしいと思う?」とか、ぼんやりと訊いたりする。友人は当然「はあ!?」って驚きます。
進「(独り言のように) 俺は、ただ、一緒に居たいんだよなあ」
(愛情を証明してほしいなんて、あんまり思わないんだけどなあ。でも、俺のそういうとこが、あいつの負担になっちゃったのかな)

2003年10月8日(水)
 FNSがんばった大賞見てますよ! たたたてまつがしんどうちゃんに「間違ってんじゃねえよ」って突っ込んだ! げ、幻覚じゃないよね? あ〜ん、死ぬ! もうほんと、満足です。思い残すことないよ…(満足しすぎ)
 ちょっとだけ大学生編の続き。タテと田中の会話。
立「えへへ、彼女と別れちゃったよ」
田「最初からこうなることは分かってたんだろう」
立「そんなことは、ないですヨ。ひょっとしたら上手くいくかもしれないって、希望はあったよ。でも、駄目でした。俺、進藤ちゃんじゃないと駄目っていうか、嫌っていうか、違うっていうか、なんていうか、うん」
田「何を今更。だから、そんなことは最初から分かってたはずだろ」
立「田中は真っ直ぐだなあ」
田「お前が曲がりくねり過ぎなんだ」
立「わっはっは、曲がってま〜っす」
田「まあ、進藤も進藤だけどな」
立「何を言うか。進藤ちゃんは少しも悪くないでしょ」
田「趣味が悪い」
立「えっ(笑)」
田「お前みたいな面倒な奴を好きなんだからな」
立「響子ちゃんは幸せだなあ」
田「なななななんでそこで花村さんが出てくるんだ!」
立「どもってるよーアンタ(笑) 田中に想われて、響子ちゃんは幸せだよね」
田「…なら、進藤は?」
立「そうだなあ、進藤ちゃんは、俺みたいなのに想われて、大変なんじゃない?」
 立松はヘラヘラ笑って、そんな立松に田中は呆れて。
立「とゆうわけなんで、今後もしばらく田中さんちに居座っちゃうから★」
田「最悪だな」(めちゃめちゃ嫌そうな顔)
立「いいじゃん別に。花ちゃんが泊りに来るわけでもないんだし(素)」
田「なっなっばnだdl;、おう: (動揺
立「わっはっは、やっぱなんもしてないんだ〜」
田「お前には関係ないだろう」(憮然)
立「関係なくはないでしょ。俺は、田中さんには幸せになってほしいのよ。俺のぶんまで…」
田「気持ちの悪いことを言うな(素)」
立「わはは。でも、俺、幸せなの」
田「幸せ?」
立「そうよ。進藤ちゃんのことが好き。すごく苦しい。でも、幸せ」

 あの人のことが、好きで、とても、好きで、好き過ぎて、好きなんだか、なんなんだか、分かんないの。間違えまくりなテンションで、突き進む。馬鹿者でしょ。幸せ者でしょ。可哀相でしょ。頭を撫でて。僕は、もう、ずっと前から、あなたに頭を撫でてほしくて、ずっと、ずっと。でも、あなたが手を伸ばしたら、僕は頭を押さえて走って逃げてしまう。

2003年10月9日(木)
 同窓会後、進藤ちゃんがタテ(と彼女が一緒にいるところ)を見かけたことはありますが、二人で会ったりすることは全然無いまま、いつのまにやらクリスマス。世間は浮かれやがりきっています。寒いのが苦手なタテは、冬はめちゃめちゃ着膨れている。それでも寒くて、背中を丸めてしまう。「ちゃんと背筋伸ばして歩けよ」とか、「寒い寒いばっかり言ってるから余計寒いんだよ」とか、進藤ちゃんに言われたことを思い出して、タテはさらに背中を丸めて寒風にぶるぶる身を震わせます。そうやって歩いてる途中、ショーウィンドー越しに何気なく見かけた、何の変哲もないクリスマスツリーに一目惚れしてしまう。ショーウィンドーにべったり張り付いてツリーを見てるタテを、通行人は訝しがったり笑ったりもしてますが、タテはそんなこと意に介しません。タテに気付いた店員が、外に出てきて、中に入って見るのを勧めます。店員は、すごく親切で丁寧な感じの人で、タテは「あー買っちゃおうかな〜」って気持ちが高まる。財布を開けると、ぎりぎりで足りてて、「これはもう買えってことだろう」とタテは思って、買っちゃいます。で、帰ってから、
田「なんだその大荷物は…」
立「うふふ、ヒ・ミ・ツ☆」
田「クリスマスツリーか」
立「ぎゃはは当たってるし!」
田「僕はそんなものいらないぞ(素)」
立「キーッ! なんでアンタにあげなきゃなんないのよっ(素)(怒)」
田「…」(別にほしくないけど、そういう言い方をされると傷付いちゃう田中)
立「どうでもいいからお金貸して」
田「なんだそれは!」
立「進藤ちゃんちに行きたいんだけど電車賃も無いんだもーん。なんて可哀相なタテノリ!」
 田中は割とあっさりタテにお金を貸してあげます。田中は花村さんとクリスマスを過ごす約束があるので、心が広くなっていたのでした。行きと帰りの電車賃だけでいい、というタテに、なにで必要になるか分からないから、と、大分余分に貸してあげました。相当心広くなってます。
 ツリー買って浮かれてるタテは、なんかよく分からんけどハイになってて、「進藤ちゃんと一緒にツリーの飾り付けとかしたい! いいよね、そんぐらいならいいよね、そんだけだから、許してもらえるよね」とか思って、こどもみたいにワクワクした気持ちになっちゃってる。で、進藤ちゃんのとこ(以前は自分も一緒に住んでたんですが)を訪ねるんですが、進藤ちゃんは帰省してしまっていて不在なのでした。タテは愕然としてめっちゃ落ちて、部屋の前でツリーを抱えたまま座り込む。しばらくして我に返って、「俺、何やってんだろ。まぬけすぎ! ていうか、こわい…。俺、コワイ人だよ〜。あー進藤ちゃんがいなくて幸いでした。だって、引くでしょ、引くよね、うん」とか思って自嘲。鍵を持ってるから中に入ることはできるんだけど、「そんなとんでもないこと出来るわけない、そんなの犯罪だよ」とかタテは思ってる。もう、自分が入ってもいい部屋じゃないんだって、痛いくらい感じてる。目の前の扉には、触れることすら許されないんじゃないかってくらいに。
(ほんと、俺、何やってんだろ。頭、おかしいんじゃないの)
 でも、ツリーは部屋の前に置いて行く。駅に向かってとぼとぼ歩きながら、タテはふと立ち止まる。急に、「もうこれ以上歩けない」って思うんです。そんなはずないのに、とても歩けない、って思って、しゃがみこんでしまう。「お金あるし、タクシー乗っちゃおうかなー」とか思いつつ、財布を開けたとき、タテは、「ああ、進藤ちゃんに会いに行こう」って、決める。なんか知らないけど、いきなり決める。決意が空から降ってきたんです。そして、立ち上がって、「あ、もう歩ける。全然歩ける。もう歩いて進藤ちゃんとこまで行けそうなくらいよ」ってな感じになります。でもまあ普通に電車とかで行くんですけど。
(いきなり実家押しかけたりしたら、進藤ちゃん引くだろうなあ)
 タテは、ちょっと自虐的な笑いを零して、
(うん、引くよね、ふつうに。へへへ、でも、行っちゃうよ、もう。めいっぱい引くといいよ…)
 タテは電車の中で眠る。幸せな夢を見る。進藤ちゃんと一緒にクリスマスを過ごす夢です。一緒に七面鳥とかモリモリ食ってる。幸せな夢。目が覚めたとき、悲しくて、瞼の裏が、じんわりと熱かった。
(あー、どうせなら、ツリー持ってくればよかったにゃー)





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